アンダーテイルをクリアした感想-他者との関わり方-
プレイ時間は全ルートクリアで15時間ほど。
といってもそのうち6時間くらいはGルートでアンダインとサンズに挑戦していた時間なのでスムーズにいけば10時間もかからないと思う。
テーマとしては、他者との関わり方だろうか。
小さい子にもおすすめできる優しいストーリーであり、なおかつとても考えさせられるストーリーで、そりゃ色んな賞を総嘗めにするわって感じだった。
アンダーテイルの特徴は、一体もモンスターを倒さずにクリアできることだろう。
しかしそれはそう簡単なことではなく、まずは分析をしたりモンスターのセリフを聞いたりしてモンスターのことを理解し、どのような行動をすればモンスターが満足して帰ってくれるか考えて行動を選ばなければならない。
最初はちょっと見た目が気持ち悪いなと思ったモンスターも、分析や話をしているうちに全員可愛く思えてくる。そうやって他者を理解することと多様性を認めることの重要性を教えてくれる。
見事に一体も倒さずクリアすればPルート(pacifist)に入り、モンスターを一体残さず虐殺しまくればGルート(genocide)、それ以外はNルート(normal)に入る。
面白いのは、途中までGルートを進んでいたとしても、1体でも見逃せばNルートに入ってしまうことだ。
途中まで酷い行動をしていても、それに気付いて改めればバッドエンドにはならないのだ。
これはリアルの人との関わりでも同じことが言える。
出会った人全員を傷つけてきた人はいないだろうし、その逆もまたいないだろう。
人の人生は尽くNルートであり、どんなに酷いことをしていた人でも、気づいて反省したときから普通の人生に戻れるのだ。
アンダーテイルという物語は、Gルートを歩んできた人への救いでもある。
過去の酷い行いに気付き、認め、許す。そして、以降は同じ過ちを繰り返さないようにしっかりと人生を歩んでいく。人生とはそういうものだ。
時には立ち直れないかもしれない。その時は友人が手を差し伸べてくれる。この辺はPルートのアルフィーの話。
Pルートのアズリエルの言葉がこのゲームのまとめに近い。
うまく生きるには「殺さず殺されず」。
殺す・・・というのは非現実的なので"傷つける"に言い換えよう。
「傷つけず傷つけられず」。
他者と関わるときは、アンダーテイルでの戦闘のように分析したり話をしたりして相手のことを理解し、相手のことを傷つけないようにする。
それでもダメだと思ったときには、自分が傷つけられる前に逃げる。
そういうことを繰り返しながら、理解者を見つけ、友だちを作り、家族を作り、生きていくのだ。
・・・ここからは戯言
私はかなりの人を傷つけてきたし傷つけている。
おそらく常人の数倍は傷つけているだろう。
リアルの私はとにかく無愛想であり、一度誰かを敵認定すれば二度とその人に心を開くこともない。
まあ第一印象くらいは頑張るがそっからは落ちていくだけだ。だって人と関わるの苦痛でしかないもの。
頭では理解していているのだ。もっと人と仲良くしたほうがいい、心を開いたほうがいい、と。
しかし脳がそれを拒否する。人が近くにいるだけでストレスが溜まり、パニックになってしまう。
何度か書いたことはあると思うが、私は子供の頃虐待を受けており、いわゆるアダルトチルドレンである。
悪意をもった虐待ではなかったかもしれないが、ヒステリーは日常茶飯事であり、時には暴力もあり、左手には縫った傷跡が一部残っている。
四月は君の嘘の主人公の母親みたいな感じを想像してみてくれるといい。ヒステリーって浴び続けると人に感情を向けられるの嫌になるし、自分も感情を出したくなくなる。
本人は子供のためと思ってやっていたのかもしれないが、自分の理想を押し付け子供を理解しようとしていない時点で虐待である。そもそも感情的になって暴れてる時点で論外だ。
十数年経ってそれなりに関係が改善された今では許しているが許していない。
アンダーテイルでは、プレイヤーは主人公の親みたいなものだ。主人公が幸せな結末を迎えるように誘導し、色々な価値観を学ばせていく。
子にGルートを歩ませるような親は親失格なのだ。私も親になればそうなってしまう気がするし、負の連鎖はここで断ち切らなければならない。
話は少しそれたが、そういうこともあり、人と関わることに拒否反応が出るようになった。
他人と関わるのは苦痛でしかない。他人が近づいてくるだけで頭が痛くなる。*1
おもいっきり親のせいにしているが生まれつき他人に興味なかったしどっちにしろこうなる運命だった気がする。それくらい自分が普通に他人と接している姿が想像できない。
常に警戒心MAXでありネガティブ思考で、その言動からたくさんの人を傷つけてきた自覚がある。
秋葉原加藤や京アニ青葉など無差別殺人鬼の気持ちは少しわかる。
世界から他者を消したいという気持ちは心のどこかにいつもあるのだ。
実はアンダーテイルでGルートを一度でもクリアしてしまうと、そのセーブデータでPルートをプレイしても最後の最後でGルートでの人格に切り替わり、バッドエンドになってしまう。SPルートというらしい。
なんかこのグループ居心地ええなあ・・・ぶち壊してえなあ・・・とか思って実際そうなるように誘導していく人間が世の中にはいるらしいが、それがSPルートの主人公みたいなものだろう。
これもちょっと気持ちがわかってしまう。他人のことを完全に信じきることができないのだろう。人の本質は悪だと思いこんでおり、いい人からも無理に悪い感情を引き出そうとする。境界性人格障害かな?
悲しいことに、一度でもGルートをクリアしてしまったら幸せな結末は迎えられないのだ。
Gルートを歩んできた。いや、歩んでいる私達に救いはないのだろうか。
*1:ネット上だと顔が見えないのでそこまで酷くはない。傷つけたいと思ってもいないし安心してください。